緊急企画！ココアシガレットＰインタビュー！

ニコニコ動画で「みっくみくにしてあげる」のヒット以来、群雄割拠の時代を迎えているボーカロイド・プロデューサーの世界に、一人のＰが彗星の如く踊りでた！

２００９年１月１７日投稿「ボーカロイドたちがひぐらしのYOUをセッションしたようです」がニコニコ動画総合カテゴリで週間第三位にランクイン*1。マイリスト数が１６０００、視聴数が１９万を超え「ＶＯＣＡＪＡＺＺ」曲としてひさしぶりに１０万再生越えを達成した。

ＪＡＺＺ＋ボカロを持ち味に、葉鍵系アレンジで静かに実績を積んでいたココアシガレットＰだが、今回の「ＹＯＵ」はただのＪＡＺＺアレンジに終わらない、セッションするボカロたちの物語をも取り込んだストーリー性の高い作品となった。

ココアシガレットＰとは何ものなのか！

の『ＷｅｂＳ．Ｅ．』では、マンガに音楽に、マルチな才能を発揮するクリエイター、同人サークルＳｔ（スタジオテトレ）で活躍するココアシガレットＰこと、葉狩はじめ氏に緊急インタビューを敢行した。（ただしメールで）

葉狩はじめインタビュー

――まずはニコ動でのランキングインおめでとうございます！　ココアシガレットＰは、これまでに三曲のボカロ曲を製作、公開されていますが、今回の「ＹＯＵ」でついに評価されたな、という感があります。ココアシガレットＰといえば、ＪＡＺＺアレンジでのボカロ動画を持ち味としますよね。いままでにアレンジ曲二曲、オリジナル一曲*2をニコ動にあげておられますが、その全てに「ＪＡＺＺでボカロ」というスタンスがあるように思います。ＪＡＺＺ＋ボカロに対するこだわりはどういう由来というか、思い入れがあるのでしょうか。

ありがとうございます！自分でもビックリですよ！
元々私は、ネット上にある誰も知らないような「誰かが作ったオリジナルのインスト曲」などを探して聴くのが好きだったんですが、ニコニコ動画と初音ミクの登場によって「誰かのオリジナル曲」がたくさん聴けるようになりました。それで自然とボカロが好きになって、自分も作ってみたいという気持ちになっていったんですね。
数あるボカロ曲の中で、自分の曲をヒットさせるにはどういった個性を持たせればいいかな、と考えた時に思ったのが、「俺、テキトーに即興でピアノを弾くのが得意だから、ＪＡＺＺを武器にすればいんじゃね？」ということでした。そもそもなぜＪＡＺＺなのかというと、高校ぐらいの時にテレビで見た「知ってる曲のＪＡＺＺアレンジのライブ」がめっちゃめちゃカッコ良くて、それに多大なる影響を受けてきたからなんです。だから自分もそういうことをして、ＪＡＺＺ好きを増やしてやろうと企んで作ったのが１曲目の夏影ジャズアレンジでした。
ボカロの面白いところは、それぞれのユーザーが勝手に設定を追加したりして二次創作的なことができるところにあると思うんですね。だから「うちのリンはジャズピアノが弾けます」ということで自分の代わりに演奏しているような形にしました。トリオにしたいから、ミクとカイトも追加しよう。ジャズっぽくするために全員スーツにしてしまえ。ボーカルのリンにはサングラスとタバコをつけよう。タバコは年齢的にまずいからやっぱしココアシガレットにしよう。…みたいな感じで作っていったらこんなのができました（笑）
ボカロを通してＪＡＺＺに興味がなかった人が興味を持ってくれたらとても嬉しく思います。ＪＡＺＺ楽しいよＪＡＺＺ。

――ココアシガレットＰの「ＹＯＵ」が評価された理由は音楽性だけではなくボカロたちのドラマの面白さも評価されたように思います。
今回の「ＹＯＵ」では、ボカロたちが音楽室で部活をしていて、リンがキーボードを担当、ミクがベース、カイトがドラムを担当するという物語も楽しめるわけです。コメントにもあったかと思いますが、ミクたちが「まるで生きているかのよう」な存在感をもっていますよね。リンがかなり激しいイジリキャラの性格で、ＫＡＩＴＯがいじられキャラのお兄さんという設定は非常に面白いなと思いました。それはどういうＫＡＩＴＯ，あるいはリン、ミク観に由来するものなのでしょう。

そんなに深く考えずに決めたことなんですが（笑）
ＫＡＩＴＯはどこに行ってもネタに使われているので、「ＫＡＩＴＯ＝ネタキャラ」というのは自分の中で鉄板でした（笑）楽器は、動きが派手で色々ネタにできそうなドラムかなーと漠然と決めて、余ったベースはミクに割り当てました。リンの性格は、スーツ着せてサングラスかけてシガレットくわえさせたら、すごいひねくれ者に見えたのでドＳにしました（笑）ＫＡＩＴＯと釣り合いそうでいいかなと。
実はソフトの方ではまだリンしか持っていなくて、ミクはそのうち買おうと思ってました。なのでミクについては、「まだ喋らなくていいかな」ということで無口キャラにしました。ミクかわいいよミク。

――「スタジオテトレ」名義でつくっておられるＣＤ*3もジャズアレンジを前面に出した。ココアシガレットＰらしい作品ですよね。
ＣＤで作る場合と違って、動画では絵も必要になってくると思うのですが、あの絵も自分で作られるのですか？

すべて自分で描いています。ちなみにＣＤのジャケット等も自分で作っています（笑）
何でも自分でやってみたいという思いがあって、色んなことに手を出してますね。サイハテ（sm2053548）で有名な小林オニキスさんぐらいにはなってみたいとか妄想してます！

　――今回ランキングに入ったのは「ＹＯＵ」のアレンジで、また「夏影」のアレンジも前に投下していましたが、一方でオリジナル作品もＣＤベースでは相当数作られていますよね。やはりオリジナルでも評価されたい、という思いがあると思うのですが。

それはもちろんあります。
今回ランクインしたのは、やはり原曲の人気の高さもあったと思うんです。本当にすごい曲は、完全オリジナルで、ボカロもちゃんと歌ってて（笑）、殿堂入りする曲だと思ってます。ＪＡＺＺアレンジもやりつつオリジナルの楽曲も作って行きたいなと思っています。

――ココアシガレットＰといえば、動画に使われている絵でリン*4が加えている一本の棒が「ココアシガレット」に見えるというところからコメント欄で名づけられたいわば「通り名」なわけですが（笑）。
ココアシガレットＰは、これまでも「スタジオテトレ」名義でＣＤやマンガを作っていましたよね。やはりその経験が今回のヒットに結びついたという感もあるのですがどうでしょうか。

ラスボスを倒すために経験値をためてたからということで（笑）
いや、でも「継続は力なり」というように、音楽や漫画に限らず、何にしても長いことやっていれば自然とそれがその人の武器になると私は考えます。当たり前のことですが、重要なのはやめないこと。そしてこの当たり前のことを守るのがなかなか難しい。
私は楽しみながらグダグダ何かをテキトーに作り続けたいですね！（笑）

――最近、どうすか？

卒業制作と就職活動が（以下500文字略

――リン・ＫＡＩＴＯ・ミクが今のところココアシガレットＰの曲に使われていますが、ずばり、レンとＭＥＩＫＯ、がくっぽいどはいつ登場するのでしょう（笑）
あと巷では巡音ルカの発売が騒がれていますが、やはり興味がありますか？

ずばり、まったく分かりません！（笑）
ですが、レンとＭＥＩＫＯについては色々妄想してたりします。
巡音ルカは多分ミクと一緒に買いますよ！いつ買えるかは分かりませんが！（笑）

――今後の活動、新作などについてこっそり教えてください（笑）

卒制と就活が（以下略
夏コミには出たいです。
それまでに何かを作ると思います！

以上、ココアシガレットＰこと、葉狩はじめ氏でした。就活後の活躍にも期待です！

Ｗｅｂ　Ｓ．Ｅ．では、今後もさまざまなクリエイターたちにインタビューを敢行していく予定です！

インタビューＤＡＴＥ　ＮＯ．１　葉狩はじめ。

名前：葉狩はじめ、ＧＹＡＲＩ、ココアシガレットＰ
ジョブ：クリエイター
所属：スタジオテトレ、ざぶとんトマホーク（現在は活動休止）
歴史：同人サークル「ざぶとんトマホーク」に所属。漫画の製作を始める。２００７年ごろから「Flower ofDesert」や「祭りのひととき架空都市仙大七夕花火祭」等の短編漫画作品を発表し、コミティア、仙台コミケなどで活動開始。音楽活動としては、「Klavier Welt」を製作（品切れ）。曲ごとにロゴを作り、ファンタジックな世界観の中にあふる爽快な楽曲が高く評価される。また「Klavier Welt plus＋」をコミティア８３で発表。２００８年から、ボーカロイドを使った「ＶＯＣＡＬＯＩＤＴＲＩＯ」を製作。ミク・リン・ＫＡＩＴＯの三人を使うという珍しい組み合わせで、ＪＡＺＺのみならずオリジナル曲も入っている。現在では在庫がないが、リメイクを予定しているという。コミックマーケット７４では「ＣｒｏｓｓＤａｙｓ」という漫画を製作。そして同じコミックマーケット７４では、今回ニコニコ動画でヒットを飛ばした「ＹＯＵ」を収録した「ＶＯＣＡＬＯＩＤ　ＴＲＩＯ　ＡＣＴ２」も製作された。