M3フェスタに行ってみた。

 去る11月24日、都産貿センター浜松町館にて開催された「M3フェスタ」に行ってまいりました。

音楽関係の即売会といえば、いうまでもなく「M3」が有名ですが、M3フェスタはその兄弟イベントになっています。ライブスペースを二つ構え、PVの上映スペース。さらに落選サークルのCDまで聞ける視聴スペースを備えている「ライブ中心」のイベント構成になっています。さらに、企業ブースも含めて120を超えるほどのサークルが出展していました。
 観客も常時100〜200人ほどいて、にぎやかにイベントを盛り上げておりました。
 会場の広さは50M平米ぐらいでしょうか。細長い空間の両端にライブスペース。それを挟まれる空間がブースといった感じ。もともと音楽用の建物ではないので、音響は抑え目。
 その分パフォーマーと至近距離で向き合える素敵なライブスペースでした! 上映スペースはM3で流されたものと同じものもあったけれど、ほとんどプロの作品と変わらぬPVを流しているサークルもあって、おいおいメジャーデビューしちゃいなよYOU! と思ったらほんとにデビューしていたりするというカオス空間でした。


 


 あまりいい写真とれませんでごめんなさい。

M3フェスタ雑感

 僕が行った時間はかなり遅めの午後二時ぐらい。
 ライブをいくつか見れただけだったのだけれど、まったりとCDを買って楽しむ感じのイベントになっていました。音響が弱く生楽器しか使えない(らしい)、という不利な条件ながらアコースティック中心のサークルたちがライブをやっている最中。ああ、それにそのライブ、二つのスペースが会場の隅と隅にあるので、ほんの五十メートルぐらい向こう側で、別のバンドがライブしてるというサドンデスが行われているのです。両方で観客の奪い合い。なんというサディスティックなイベントでしょう(笑) とはいっても、両端では、さすがに対面の演奏は聞こえないのですけれどもね。
 M3フェスタに行って思ったこともいくつか書いておきますか。まず、音楽性が似通っているサークルが多くなりつつあるなという印象。音楽性、まで踏み込まなくても、ある種のまとまりというか「イベントのカラー」みたいなものをM3の時よりも強く感じました。それをうまくいう言葉は見つからないのですが、何か雑多で混濁したカオスが溢れるというよりも、好きな人たちが集まって何かをしている。そんな印象を会場全体から受けたのですね。
 それから、意外と年配の方や中年の人が会場に多く驚きました。サークルのファンの人たちなのでしょうか。あとは大学生ぐらいの人が目立ちますが、二十台後半から三十台にかけてぐらいなのかな? という人も多いです。音楽業界の人も何人か来ていたようです。

ライブをみて、これはと思ったサークル。

http://cyclone.main.jp/

頒布物:
逆光 -Silhouette of the sound-
あとなんかこまごまと旧譜。

ライブ:
H-area 14:40 Sound CYCLONE
member
しゃばだば:Vocal Guitar
sou:Bass
witch:Vocal
せら(てつくずおきば):Cajon

全部はみれなかったのだけれど東方アレンジ中心のCD『逆光』の中の一曲、Two of USの演奏が目を引いた。とにかくボーカルのwitchの声が、観客たちを魅せる魅せる。なによりも、本当に楽しそうに楽器を使うしゃばだばのリードがうまかった。総合力の極めて高いバンド、という印象を持ちました。てつくづおきばのせらさんとは、すごく久しぶりにあってちょこっとおしゃべりまでさせてもらいました。Cajonというスピーカーみたいな形の打楽器を叩いていたのだけれど、なんとそれ、前日の夜にはじめて見て、三時間練習しただけ、なんだそうです。すげえ、すげえよせらさん。
 思わずCDを購入。1000円。頒布スペースではてつくずおきばの作品も置いてありました。

  • メリディアン・ローグ

http://meridianrogue.com/pc/index.html

男性三名のアコースティックバンド。普通に実力派、という印象。「反戦の歌です」と言ってから歌いだしたのに少し驚いたのと、イカロスをテーマにした曲を歌って印象に残っていたので紹介。いや、とてもよかったよ。サイトでは歌いだしが何十回もリピートで聞けます。曲の雰囲気としては、実に男性ボーカルのバンドとして普通、な感じもするのだけれど、まぁでも実際にライブを見てみると、なかなか、うまいなと思ったのですよ。

メリディアンローグは社会性・哲学性・メッセージ性を込めた歌詞、
バンドサウンドと溶け合うピアノやストリングス、
神秘的で透明感のある曲調を特徴としているバンドです

というプロフィールのとおりの物を作ろうとしている意志は感じた。でも、もっとよくなるところもたくさんあるんじゃなかろうかとも、思いましたけれどもね。すでにメジャーデビューも果たしています。女性ファンがたくさんいてブースをにぎわせておりましたねえ。

ブースはどこだか忘れてしまったけれど、鳥を勤めたのは片霧烈火さん。公式ウェブは改装中記録のギネスを狙うらしくぜんぜん更新されませんので省略。日本の同人音楽シーンをリードする(とはいえ、ええ、とても狭い世界なのですけれどもね)ミュージシャンの一人です。
 M3フェスタでは、某エロゲの主題歌をはじめ三曲を熱唱。抜群のボイスパフォーマンス、MCもうまい! それに、なんというのでしょうね。元気のよさ、というか、威勢のよさ、というか、あるいは見ているだけでこっちまで元気になるようなそういう暖かさを振りまくパフォーマンスができる人なのだなと思いました。生で片霧烈火さんのライブを聞いたのは初めてだったのだけれど、実にこう、いい気分にさせてくれるライブでありましたね。曲の感想で「M3フェスタ、楽しかった人はくしゅ!」といって拍手を沸かせた後「今回、がんばってくれた運営の人たちにも、はくしゅ!」と言ってまた沸かせたのは本当になんというか「同人」のイベントの本質に迫る、いいパフォーマンスだったように思います。

 同人イベントというものは、どこにでも「お客さんも参加者です、一緒に盛り上げていきましょう」という注意書きがあるけれど、これはたぶん、本当にそうなんですよね。人が集まって、集まった人たちが何かをする。この当たり前のことを続けるのは、実はとても難しいのです。
 制度や資本に守られていないイベントは、特に。「好きだから」とか「やりたいから」というモチベーションが運営者から消えたら、それで終りです。
 
 でもお客さんにできることは実は殆どなにもないのですね。コンサートならチケット買って盛り上がって黙って帰るぐらいしかできることがないのですが、たぶんもう一つだけある。それはイベントを開催した人に感謝をささげる、ってことです。それは何も生まないことだけれどやられて悪い気持ちはしないことだと、思うわけですし、楽しかったら楽しかったイベントを作ってくれた人にありがとーの気持ちを送りたくなるのが人情ってもんでしょう?

 だからまぁ、そういう感謝をささげる空間を作った片霧さんのパフォーマンスはいいなぁと思ったわけです。

そのほか。

あとCDで買った物は以下の通り。

  • WIND VOICE 「名も無き者たちの調べ〜ディタとウェンディの輪曲」

 うーん、いまいち。ちょっと聞いたときはいいかなと思ったのですが、くりかえしが多くて長いし、抑揚がよくわからなくてなんか聞きにくい。生音でピアノとバイオリン(ヴィオラかも)を弾くのはいいなぁって思ったのですけれどもね。でもこの演奏陣ならばもっといい曲も作れると思います。

  • 自由平方空間メートル

 ドラマCD。もっとこう・・・・ね。