VOL2

ということで、飽きもせずにM3の戦利品を更新。マイナーめのサークルを中心にお届けしています。そりゃ大手はとらのあなにでもいけばいくらでも置いてもらえるさ?
 M3というか、同人音楽について案内書はとても少なく―しかし知っていれば、流行の「東方アレンジ」にも対応可能―だからこそこの本をおすすめ。同人音楽の歴史がゆがめられたーとはいっても、まぁ、歪みが生じたところに光を当てるのは別の作業であり、最初にレンズを当てるってことがそもそもすごいんだよ、とはいいたいね。
 それからもうひとつは、M3という会場は一冊の本で説明するよりも動的なWIKIのほうが情報量そのものは多いし的確、そしてなによりも、雑多なジャンルを抱合しながらそれらの寄り添う場としての即売会の形態は、ある種のエディションが暴力的に特定の領域を削除してしまう書物の形態と、その全体像の想像させかたという点で相性がわるいのかもしれない。どーん。
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【サークル名】SOUND OF CIEL

【CD名】 PIECE ~TO THE LITTLE SPHERE~

【Trリスト】
1.Birth of Light−little sphere−
2.篝火


【サイト】
http://soundofciel.main.jp/

*清涼感と重量感のあふれるゆったりとしたインストロメンタル。映画のOPにも似合いそうな雰囲気。素敵な感じです。二曲入り。
 サークルはどうやら管理人sugi氏による単独のもの。スクエニの初期を思い出させます。
 

【サークル名】the monofilm

【CD名】Step Forward
【Trリスト】
1 Step Forward
2 いつか


*もうサークル活動をやめてしまうらしい。ブースで「活動、やめちゃうんですか?」と聞いたら、悲しそうに「最後の、お客さんです」と言われた。いつかは卒業してしまうM3という世界の中で、やめてしまうとはっきり述べることにどれぐらいの意味と覚悟があるのかはわからないけれど、何か悲しいなと思った。来年、このサークルがあった場所に、また別のサークルがはいるのだろう。
 なお、この楽曲はクリエイティブ・コモンズ3.0に加入しているらしいので、適切にさがせば曲がでてきます。それを使って、次の世代に何かが引き継がれるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
 一曲目は英語の歌詞。二曲目は日本語。歌も曲も、すごくうまい、という感じではないけれど、安心して聞けるポップチューン。

【サークル名】est

【CD名】TWINS
【Trリスト】
01 制服を脱ぎ捨てて
02 onward 明日へ
03 小さなバカンス
04 ENRAI
05 Morning train

【サイト】
http://homepage1.nifty.com/est

同人音楽を聞こう!』でも取り上げられているサークル。ガールズポップのツインボーカルを、キャラ立ちのよさと、安定した世界観でファンをがっつり掴んでおられる。ボーカルさんが売り子をしていたかどうか知らないが、ずっと聞いてみたかったのでなんとか買いました。14番目のアルバム、となるようです。
 80年代のアニソン的よさ。といえばその魅力の半分を伝えたことになるでしょう。元気な感じ、夏休みな感じ。世界観は「ノスタルジー」と断言する*1プロデューサーの社会人からみた羨ましさが存分にあふれております。
 このCD,地味にCDジャケットとCDの表面(なんていうんだろう?)がすごく凝っていてCD銀盤の上に紫の表面加工、その上に黒で印刷があるという豪華な仕様になっております。うまいなぁ。
 とらのあなやあきばお~などでも委託で買えるらしい。

【サークル名】MUSIC FANTASY TACTICS4

【CD名】LE GRAND GRIMOIRE
【Trリスト】
1 橋上の戦い
2 幻想の中で
3 Embarrassing Battle
4 Amber Valley
5 Crystal
6 Lukhavi
7 Overwhleming Stars
8 小悪党空を征く
9 敵兵襲撃
10 tenebrae
11 IVALISSIDIA


【サイト】
http://mft.exdeath.jp/

ファイナルファンタジータクティクスシリーズのみのアレンジを集めたサークル横断のCD第四弾。第四弾しか買ってないけれど、強烈な作品への愛を感じる一枚。Trリストは副題および、サークルの敬称略。サイトにいって確かめたって。
 非常に作りこまれた曲が多く、原曲に忠実なアレンジをしている印象があるかな。C2KによるTr1「橋上の戦い」はミクまで使用したうまし曲のアレンジ。イラストレーションからCDジャケットのデザインまで実にかっちりと作ってあります。
FFTは俺のジャスティス(仮)

【サークル名】Sprite wing

【CD名】Hello―Cross the verge of life―
【Trリスト】
1 Hello
2 life
3 Hello- piaano arrange ver−
4 life- piaano arrange ver−


【サイト】
http://spritewing.com/

 MAYA氏が代表を勤めるサークル。らしぃ。サイトが背景真っ暗でなにも見えず、画像も損壊していたのか、確認できなかったのでなんですが、何人かの人が所属している音楽サークルのようです。ブースでは新譜ではなく、旧譜を購入しました。主に値段と、趣味的なあれで。
 かっちりとしたつくりのCDで、というとつまり中も外も作りこまれていてCDのジャケットもしっかりしてるという意味で僕は使いがちなのだけれど、とてもよく作られている。マッチ売りの少女モチーフがジャケットなのだけれど、どうもいまいち世界観全体の中で、どれがどういう物語に繋がるのかよくわからないところはあるかもしれない。CDに印刷されているのは緑髪の巨乳の天使で、なぜ? という感じ。「雪の降りしきる闇夜に紡がれる物語」らしいが、それがなんなのかよくわかりません、という。詞をみても、やはり今ひとつわかりませんー。うん。まあ僕の読解力の問題もあるとしてもね。
 曲はバラードになるの。実にうまいし、よくできている。ピアノアレンジもなんかかっこい。「歌い上げる」という表現がぴたりとハマるボーカルさんの実力も評価したい。

*1:同人音楽を聴こう』p60