全作紹介その2

エバ・ルーナのお話 (文学の冒険シリーズ)

エバ・ルーナのお話 (文学の冒険シリーズ)

木村榮一+窪田典子訳
322頁 2243円 ISBN4-336-03596-2
お話の名人エバ・ルーナが、愛と裏切り、幻想と冒険、さまざまな物語の糸を紡いで織りあげた素敵なお話の数かず。長編「エバ・ルーナ」から生まれた、〈現代のシェヘラザード〉アジェンデの本領発揮の作品集。

→担当、三本恭子

カフカの父親 (文学の冒険シリーズ)

カフカの父親 (文学の冒険シリーズ)

米川良夫+和田忠彦+柱本元彦
290頁 品切 ISBN4-336-03591-1
ゴム人形の妻、世界の誰にも通じぬ言語を習ってしまった男の話など、奇妙きてれつなアイデアを完璧なストーリー・テリングで調理する、イタリアの奇才ランドルフィの不思議な不思議な世界。本邦初の作品集。

  • エドゥアルド・メンドサ『奇蹟の都市』

奇蹟の都市 (文学の冒険シリーズ)

奇蹟の都市 (文学の冒険シリーズ)

鼓 直+篠沢真理+松下直弘
400頁 2854円 ISBN4-336-03592-X
万国博開催に沸く19世紀末のバルセロナ、山村から出てきたオノフレは才覚ひとつで暗黒界と実業界を巧みに生き抜き大物へとのし上がっていく。カタルーニャの光と影を描く波瀾万丈のピカレスク・ロマン。

遠い女―ラテンアメリカ短篇集 (文学の冒険シリーズ)

遠い女―ラテンアメリカ短篇集 (文学の冒険シリーズ)

木村榮一
276頁 2039円 ISBN4-336-03599-7
コルタサル「遠い女」「天国の門」、ムヒカ・ライネス「航海者たち」他、ビオイ=カサーレス、パス等、豊かな物語性と前衛的なスタイルによって現代文学に衝撃を与えてきたラテンアメリカ文学の精髄を収録。

  • ヴェネディクト・エロフェーエフ『酔どれ列車、モスクワ発ペトゥシキ行』

酔どれ列車、モスクワ発ペトゥシキ行 (文学の冒険シリーズ)

酔どれ列車、モスクワ発ペトゥシキ行 (文学の冒険シリーズ)

安岡治子
250頁 品切 ISBN4-336-03890-2
舞台は旧ソ連。作者と同名の主人公が酩酊のうちに終着駅ペトゥシキへと向う。混濁した意識から流れ出る、文学、女、酒についての独白。彼はペトゥシキにたどり着けるのか。旧ソ連の地下出版で大ベストセラー。

マゴット (文学の冒険シリーズ)

マゴット (文学の冒険シリーズ)

植松みどり訳
600頁 3360円 ISBN4-336-03583-0
18世紀イングランド、森で発見された若者の縊死死体、黒ミサの儀式、世界終末のヴィジョン、楽園幻想。ミステリ・SF・歴史小説などの手法を駆使して、言葉の魔術師ファウルズが紡ぎ出す驚異の物語。

夜になるまえに

夜になるまえに

安藤哲行
432頁 2625円 ISBN4-336-03951-8
エイズを苦にニューヨークで自殺したキューバ人作家アレナス。カストロ政権下の弾圧と投獄の日々を経てアメリカに亡命した彼が、極貧の幼年時代、性の遍歴、自由を希求する魂のあえぎを綴った鮮烈なる自伝。

鈴木克昌
356頁/376頁 各2730円 下=品切 ISBN4-336-03580-6/03581-4
妖精の国に通じるドアを持つ大邸宅エッジウッドを舞台に、その邸に代々住む一族が経験するさまざまな神秘、謎と冒険を描いた、彼岸と此岸が交錯する壮大なファンタジー。世界幻想文学賞受賞作。

  • イシュメール・リード『マンボ・ジャンボ』

マンボ・ジャンボ (文学の冒険シリーズ)

マンボ・ジャンボ (文学の冒険シリーズ)

上岡伸雄訳
347頁 2625円 ISBN4-336-03952-6
1920年アメリカを舞台に繰り広げられるポストモダン・オカルト大活劇。ブルースやジャズを媒介に全米に広がる奇病ジェス・グルーとその聖典を巡って渦巻く秘密結社の陰謀。最も過激な黒人作家の最高傑作。

土台穴 (文学の冒険シリーズ)

土台穴 (文学の冒険シリーズ)

亀山郁夫
254頁 2415円 ISBN4-336-03954-2
1920年代の旧ソ連を舞台に、社会主義国家の建設をグロテスクに諷刺した中篇。理想の住宅を実現するために、土台となる穴を掘り続ける労働者、技師そして一人の孤児の少女。20世紀ロシア最大の作家の代表作。

パタゴニア・エキスプレス (文学の冒険シリーズ)

パタゴニア・エキスプレス (文学の冒険シリーズ)

安藤哲行
219頁 1995円 ISBN4-336-03956-9
独裁政権下のチリから亡命し、世界各国を彷徨した経験をもとに綴ったユーモア溢れる短篇集。虐待を受けても、理想を失っても、人生はやはり生きるにふさわしいとする作者の優しい視線が伝わってくる快作。

虚数 (文学の冒険シリーズ)

虚数 (文学の冒険シリーズ)

長谷見一雄+沼野充義西成彦
330頁 2520円 ISBN4-336-03593-8
ビット文学の歴史、未来言語による百科事典、細菌の未来学、コンピュータGOLEMの講義録など、〈実在しない書物〉の序文を収録。フィクションの新たな可能性を切り開いたレムが到達した文学の極北。

→担当、小峰隆弘、かつとんたろう

  • ウラジーミル・ソローキン『ロマン(上・下)』

ロマン〈1〉 (文学の冒険)

ロマン〈1〉 (文学の冒険)

ロマン〈2〉 (文学の冒険)

ロマン〈2〉 (文学の冒険)

望月哲男訳
420頁/380頁 2625円/2520円  ISBN4-336-03958-5/04023-0
19世紀末のロシア。村を訪れた弁護士ロマンが恋に落ち、やがて結婚する。祝宴の夜、祝いの斧を手にした彼は村人の殺戮を開始する……。想像力の限界を超えたスプラッター・ノヴェル。

→担当、西田博至(arazaru)

  • イヴァン・クリーマ『僕の陽気な朝』

僕の陽気な朝 (文学の冒険シリーズ)

僕の陽気な朝 (文学の冒険シリーズ)

田才益夫訳
300頁 2310円 ISBN4-336-04024-9
クンデラと並ぶチェコ文学界の巨匠クリーマの、滑稽で破廉恥、少し奇妙で不条理な傑作短篇集。ユーモア、ペーソス渾然一体の世界を描く。色仕掛の金髪娘、不倫、様々な出来事が主人公の身に降りかかる……。

不在者の祈り (文学の冒険)

不在者の祈り (文学の冒険)

石川清子訳
280頁 2625円 ISBN4-336-03955-0
ロッコのフェズ。一人の男が生れ変る。乳児となった男は、三人の男女と共に聖なる「南」へと向かう。砂漠への試練の道のりを経て彼らが行きつく先は……。「砂の子ども」の作者が描く癒しと再生の物語。

  • パトリック・グランヴィル『火炎樹』

火炎樹 (文学の冒険)

火炎樹 (文学の冒険)

篠田知和基訳
428頁 2940円 ISBN4-336-04021-4
熱帯に群れる火と血のシンボル「火炎樹」を巡ってくりひろげられる滑稽で詩的なバロック小説。圧倒的パワーを持つ狂王トコールが戦争と、森に住む神秘のディオルル族探究に突進している間に街で暴動が勃発!

  • アンドレイ・コドレスク『血の伯爵夫人(上・下)』

血の伯爵夫人 (1) (文学の冒険シリーズ)

血の伯爵夫人 (1) (文学の冒険シリーズ)

血の伯爵夫人 (2) (文学の冒険シリーズ)

血の伯爵夫人 (2) (文学の冒険シリーズ)

赤塚若樹訳
294頁/336頁 2310円/2415円  ISBN4-336-04022-2/04026-5
処女の生き血を浴びて自らの美と若さを保ったとされる実在の伯爵夫人エルジェーベト・バートリと、現代のアメリカに生きるその直系の子孫の物語。恐怖と愛が時空を超えて結びつく驚嘆の年代記

  • ダヴィッド・シャハル『ブルーリア』

ブルーリア (文学の冒険シリーズ)

ブルーリア (文学の冒険シリーズ)

母袋夏生訳
290頁 2730円 ISBN4-336-04027-3
深夜の精神病院でアルバイトをする主人公と美しく謎めいた女性患者との密やかな交感を描く標題作のほか、「パレルモの人形」「真夜中の物語」「国境の少年」など。現代イスラエル最大の作家の短篇集。 

  • ウラジーミル・ソローキン『愛』

愛 (文学の冒険シリーズ)

愛 (文学の冒険シリーズ)

亀山郁夫
304頁 2625円 ISBN4-336-03960-7
唐突に開始される殺戮、あまりにもグロテスクな描写、簡単に切り離される身体……。「現代ロシア文学のモンスター」と異名をとる過激な作家が、日常と狂気の境界を破壊して造形する乾いた「愛」のかたち。 

→担当、西田博至(arazaru)

  • ラシッド・ブージェドラ『離縁』

離縁 (文学の冒険シリーズ)

離縁 (文学の冒険シリーズ)

福田育弘訳
308頁 2520円 ISBN4-336-03959-3
屋根裏部屋での激しい性行為の合間に、主人公ラシッドが幼年時代を回想していく。次第に明らかになる衝撃的な事実の数々……。イスラム社会における性の解放をモチーフに綴られる暴力的なエクリチュール

以上 国書刊行会 文学の冒険
http://www.kokusho.co.jp/series/bouken2.htm