文学の冒険シリーズ著作紹介 1

ウォーターメソッドマン〈下〉 (新潮文庫)

ウォーターメソッドマン〈下〉 (新潮文庫)

ウォーターメソッドマン〈上〉 (新潮文庫)

ウォーターメソッドマン〈上〉 (新潮文庫)

川本三郎柴田元幸岸本佐知子
300頁/304頁 各1784円 上=品切
ISBN4-336-02464-2/02465-0
大人になりきれない男、ボーガス・トランパーの調子っぱずれの人生を、神話・映画脚本・手紙文等様々なテキストを用いて描き出す異色の長篇。猥雑で活力に満ちた"愉しい"実験小説。

新潮文庫にも所収。

めくるめく世界 (文学の冒険シリーズ)

めくるめく世界 (文学の冒険シリーズ)

鼓 直+杉山 晃訳
330頁 2100円 ISBN4-336-02466-9
実在した異端の怪僧セルバンド・デ・ミエル師の波乱に満ちた生涯を元に、全篇を通じて現実と幻想が混淆した途方もない挿話が繰り広げられる奇想天外な歴史小説キューバの亡命作家アレナスの"幻の書"。

不在の騎士 (文学の冒険シリーズ)

不在の騎士 (文学の冒険シリーズ)

不在の騎士 (河出文庫)

不在の騎士 (河出文庫)

米川良夫訳
200頁 品切 ISBN4-336-02467-7  
『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』に続く、奔放な空想とユーモアが一体となって絶妙な効果をあげている寓話譚。空洞の鎧にすぎない"存在しない騎士"アジルールフォが織りなす荒唐無稽な遍歴の物語。

松籟社(1989)からも出版

  • J.L.ボルヘス『永遠の薔薇・鉄の貨幣』


鼓直+清水憲夫+篠沢真理訳 200頁 品切 ISBN4-336-02468-5
有限の中に無限を構築し、言葉の中に世界を封じ込めようとする"言語の魔術師"ボルヘスが、該博な知識と豊かなイマジネーションを駆使 オて描く幻想とリリシズムの世界。晩年を代表する2冊の詩文集を収録。

安藤哲行
320頁 品切 ISBN4-336-02469-3
現実から逃避しようとする女性によって紡ぎ出される、絶世の美女達が活躍する願望の夢物語。スパイ小説、SFからポルノグラフィーのパロディまで含んだ才人プイグの意欲作。女達が辿る悲しいラヴ・ストーリー。

完全な真空 (文学の冒険シリーズ)

完全な真空 (文学の冒険シリーズ)

沼野充義工藤幸雄+長谷見一雄訳
310頁 2100円 ISBN4-336-02470-7
誇大妄想的宇宙論からヌーヴォーロマンのパロディ評まで、16冊の架空の書物を論じたペダンティックな仕掛けに満ちた書評集。「ポスト・ボルヘス的書物」とカート・ヴォネガットの絶讃を浴びた異色の作品集。

担当「かつとんたろう」

精霊たちの家

精霊たちの家

木村榮一
430頁 品切(新装版として再刊)ISBN4-336-02471-5
透視とテレパシー能力の持ち主少女クラーラのエピソードを初め、幻想的なイメージに満ちた魔術的リアリズムの大作。非業の死を遂げたアジェンデ大統領の姪による、『百年の孤独』と並び称される衝撃の処女作。

→池澤世界文学にも所収。

  • ブラウリオ・アレナス『パースの城』

パースの城 (文学の冒険シリーズ)

パースの城 (文学の冒険シリーズ)

平田 渡訳
230頁 1937円 ISBN4-336-03056-1
初恋の少女の死を偶然新聞で知った青年ダゴベルトは、その晩死んだ恋人と"もう一人の自分"が登場する夢を見る。それは漆黒の闇の支配する不気味な中世の城を舞台に魔物達が跳梁する悪夢の世界であった。

  • S.ムロージェック『象』

象 (文学の冒険シリーズ)

象 (文学の冒険シリーズ)

沼野充義+長谷見一雄+西成彦吉上昭三
320頁 品切 ISBN4-336-03059-6
イヨネスコ、ベケットと並ぶ前衛劇作家として知られ、漫画家としても名高い、現代ポーランド文学を代表する作家ムロージェックが放つナンセンスとブラックユーモアに満ちたグロテスク・ファンタジーの世界。

メテオール(気象) (文学の冒険シリーズ)

メテオール(気象) (文学の冒険シリーズ)

榊原晃三+南條郁子訳
430頁 2854円 ISBN4-336-03063-4
一卵性双生児ジャン=ポールの〈秘儀参入〉の冒険譚を軸に展開する壮大なドラマの世界。SF・神話・童話・パロディ等の要素を織り混ぜながら語られる、現代フランス文学の旗手トゥルニエによる現代の寓話。

  • クルト・クーゼンベルク『壜の中の世界』

壜の中の世界 (文学の冒険シリーズ)

壜の中の世界 (文学の冒険シリーズ)

前川道介+三宅晶子+竹内節訳
212頁 品切 ISBN4-336-03060-X
ブラック・ユーモア、メルヘン的ファンタジーからシュールなホラ話まで、風変わりな玩具箱のような短篇集。"文学のパウル・クレー"と呼ばれるクーゼンベルクの、夢とエスプリに満ちた幻想世界へようこそ。

カチアートを追跡して (新潮文庫)

カチアートを追跡して (新潮文庫)

生井英考
280頁/270頁 各1835円 上=品切  ISBN4-336-03061-8/03337-4
ベトナムからパリまでヒッチハイクで旅しようとした脱走兵と追跡者達の奇想天外な物語。彼等が旅路の果てに見い出したものはいったい何か。『キャッチ22』と並び称される現代アメリカ小説の傑作。

新潮文庫にも。

  • ヴィスコチル+カリンティ『そうはいっても飛ぶのはやさしい』

そうはいっても飛ぶのはやさしい (文学の冒険)

そうはいっても飛ぶのはやさしい (文学の冒険)

千野栄一岩崎悦子
284頁 1937円 ISBN4-336-03064-2
奇抜なアイデアと絶妙な語り口、チャペク以降のチェコを代表するファンタジー作家と、人生のグロテスク、不条理を見つめる、ハンガリーの〈エンサイクロペディスト〉。異色2作家の傑作短編の粋を集成。

  • ゲルハルト・ケップフ『ふくろうの眼』

ふくろうの眼 (文学の冒険)

ふくろうの眼 (文学の冒険)

園田みどり訳
366頁 品切 ISBN4-336-03062-6
知恵と邪悪さの象徴〈ふくろうの眼〉を持つ郵便配達夫の物語。架空都市トゥルゼルンを舞台に、多彩なエピソードが万華鏡のように交錯する。現代ドイツ文学の気鋭が饒舌な文体で綴るシニカルなファンタジー

エバ・ルーナ (文学の冒険)

エバ・ルーナ (文学の冒険)

木村榮一+新谷美紀子訳
404頁 品切 ISBN4-336-03595-4
密林の捨て子とインディオの娘エバは、剥製博士、政府高官、アラブ人の商人らのもとを転々としながら、愛を知り、革命に加わり、自らの人生を見出していく。巧みな語り口で世界中を魅了したベストセラー。

ビリー・ザ・キッド全仕事 (文学の冒険)

ビリー・ザ・キッド全仕事 (文学の冒険)

福間健二
196頁 品切 ISBN4-336-03582-2
西部の英雄ビリー・ザ・キッドのロマンスとヴァイオレンスに彩られた短い生涯をコラージュ風に再構成。様々な断片が物語る愛と生と死の物語。アウトロー伝説に材をとったアヴァンポップ小説。

チュニジアの夜 (文学の冒険シリーズ)

チュニジアの夜 (文学の冒険シリーズ)

西村真裕美訳
192頁 1835円 ISBN4-336-03588-1
狼の血族」「クライング・ゲーム」などの映画作品で知られるニール・ジョーダンが、思春期の少年少女の揺れ動く複雑な心情、人生の一断面をみずみずしい筆致で描いて、ガーディアン賞に輝いた処女短篇集。

魔法の書 (文学の冒険シリーズ)

魔法の書 (文学の冒険シリーズ)

鼓 直+西川 喬訳
248頁 品切 ISBN4-336-03597-0
決して終りまで読めない魔法の本、村人のみる夢が神々を養う〈眠りの村〉、あまりに現実的な妖精たち…。知的で幻想的な作品によってボルヘス以後を担うアンデルソン=インベルの知的戦慄を誘う傑作を精選。

女ねずみ (文学の冒険)

女ねずみ (文学の冒険)

高本研一+依岡隆児訳
400頁 2854円 ISBN4-336-03589-X
作者の夢の中に現れた一匹のねずみが物語る、核戦争によって人類が滅亡した後の世界。「ブリキの太鼓」のオスカルも再登場、現代文明への問いかけを続けるグラスがそのすべてを注ぎ込んだ問題作。

  • イサク・ディーネセン『不滅の物語』

不滅の物語 (文学の冒険シリーズ)

不滅の物語 (文学の冒険シリーズ)

工藤政司訳
304頁 2243円 ISBN4-336-03590-3
表題作の他、「満月の夜」「指輪」「エコー」等、優雅で知的な文体によって現代では稀有な豊かな物語世界を織りあげ、〈今世紀最高の物語作家〉と絶賛されたデンマークの閨秀作家ディーネセンの珠玉の短篇集。

以上 国書刊行会サイトより
http://www.kokusho.co.jp/series/index.html