文学の冒険とは何か

文学の冒険 Comtemporary Writers
小説世界の境界線を拡げ、読者を挑発する現代文学シリーズ。 過激な文学的実験、物語と「語り」の復権、新しい時代の新しい文学を求めて、ラテン・アメリカ文学アメリカのニューライターズから東欧の知られざる名作まで、いまもっとも注目を集める世界の文学を幅広く紹介する。

「(……)小説とはここにあらためて記すまでもなく、"新奇性"という意味である。つまり、小説とは芸術の伝統的な慣習を破壊し、超越し、変形する、きわめて自由で独創的な芸術様式のことなのだ。したがって、文学上の伝統主義があるかぎり、小説という形式は存在しえるし、同時にその有効性もある。翻って言えば、小説が真の小説であるためには、伝統的な慣習に抗う"新奇性"を備えていなければならない。
 <文学の冒険>は、いわばこの小説の神髄――"新奇性"の可能性を果敢に探求している作品ばかりを精選したシリーズである。そのことは『重力の虹』や『完全な真空』などが収められた本シリーズの第1期で証明ずみだろう。(……)

 この<文学の冒険>シリーズは、「小説は死んだ」と口走る寝ぼけた輩に対する強烈なカンフル剤である。」(風間賢二・<文学の冒険:第2シリーズ>パンフレットより)
四六判変型・上製カバー装 装丁:坂川事務所