全作紹介ラスト

若島 正訳
396頁 2940円 ISBN4-336-03586-5
15世紀のエジプト、奇怪な悪夢病が蔓延するなか、陰謀渦巻く魔都カイロに絢爛と繰り広げられる謎と冒険、悦楽と不安の物語。千一夜物語の世界を舞台に夢と現実が交錯するミステリアスな迷宮小説。

→担当、かつとんたろう

恋する潜水艦 (文学の冒険シリーズ)

恋する潜水艦 (文学の冒険シリーズ)

橋本克己他訳
400頁 2940円 ISBN4-336-04238-1
「宝島」異聞ともいうべき冒険小説『海賊の唄』。「ジャリの『ユビュ王』とダダイスムとの架け橋となった作品」と評される未来派的な奇作『恋する潜水艦』。他に、『金星号航海記』を収録

→担当、かつとんたろう

レターズ〈1〉 (文学の冒険シリーズ)

レターズ〈1〉 (文学の冒険シリーズ)

レターズ〈2〉 (文学の冒険シリーズ)

レターズ〈2〉 (文学の冒険シリーズ)

岩元+小林+竹村+幡山訳
596頁/590頁 各3360円 ISBN4-336-03578-4/03579-2
60年代大学紛争を背景に過去の登場人物が再登場、彼らが交わす手紙で構成されるバース文学の総決算ともいうべきメタフィクショナルな大作。「重力の虹」と並び称される20世紀文学の最高峰。

  • アンジェラ・カーター『夜ごとのサーカス』

夜ごとのサーカス (文学の冒険シリーズ)

夜ごとのサーカス (文学の冒険シリーズ)

加藤光也訳
502頁 3360円 ISBN4-336-03584-9
背中に翼のはえ空中ブランコ乗りの女が語る世にも不思議な身の上話。英国のマジックリアリスト、アンジェラ・カーターの奔放な想像力と過激な幻想、豊饒な語りが結実した、80年代を代表する傑作。 

  • サーデグ・ヘダーヤト『生埋め ある狂人の手記より』

生埋め―ある狂人の手記より (文学の冒険)

生埋め―ある狂人の手記より (文学の冒険)

石井啓一郎訳
224頁 2100円 ISBN4-336-04028-1
知的で変化に富んだ文体の中に、いにしえの詩人オマル・ハイヤームの懊悩を蘇らせた20世紀イランの巨匠ヘダーヤト。ホラー的作品・SF的近未来小説など、厭世観と狂気に満ちた短編小説7篇の選集。

  • W.T.ヴォルマン『ザ・ライフルズ』

ザ・ライフルズ (文学の冒険シリーズ)

ザ・ライフルズ (文学の冒険シリーズ)

栩木玲子訳
536頁 3675円 ISBN4-336-03961-5
カナダ北部の辺境地帯を舞台に織りなされる、キャプテン・サブゼロとイヌイットの娘リーパの暗いラブ・ロマンス。神話と記憶と歴史の狭間を幻視する圧倒的な想像力の奔出。「夢の物語」七部作の第六部。

→担当、西田博至(arazaru)

春の祭典

春の祭典

柳原孝敦訳
560頁 3360円 ISBN4-336-04025-7
革命にトラウマを抱くロシア女性ベラとキューバブルジョワ家庭に育ったエンリケ。内戦下スペインで交錯した二つの生は、戦争の世紀に染められてゆく。ラテンアメリカ文学の『戦争と平和』ともいうべき大作。

→担当、西田博至(arazaru)*

  • ファジリ・イスカンデル『チェゲムのサンドロおじさん』

チェゲムのサンドロおじさん (文学の冒険シリーズ)

チェゲムのサンドロおじさん (文学の冒険シリーズ)

浦 雅春+安岡治子
424頁 2940円 ISBN4-336-03957-7
豪放磊落な主人公サンドロを中心に、旧ソ連黒海沿岸の国アブハジアの人々の生活と文化をユーモラスに描いた破天荒な物語。「アブハジアのガルシア=マルケス」の代表作。

オレンジだけが果物じゃない (文学の冒険シリーズ)

オレンジだけが果物じゃない (文学の冒険シリーズ)

岸本佐知子
288頁 2520円 ISBN4-336-03962-3
狂信的なキリスト教信者の母親と、母親から訣別し、本当の自分を探そうとする娘。イギリス北部の貧しい町を舞台に、娘の一人称で語られる黒い哄笑に満ちた物語。寓話や伝説のパロディもちりばめた自伝的小説。

透明な対象 (文学の冒険シリーズ)

透明な対象 (文学の冒険シリーズ)

若島正・中田晶子訳
210頁 2310円 ISBN4-336-04029-X
さえない編集者ヒュー・パースンは作家Rを訪ねる列車の中で美女アルマンドに出会い、やがて奇妙な恋路を辿っていく。著者一流の仕掛けが二重三重に張り巡らされ、読者を迷宮へと誘い込む魅惑的中篇。

夜明け前のセレスティーノ (文学の冒険シリーズ)

夜明け前のセレスティーノ (文学の冒険シリーズ)

安藤哲行
322頁 2625円 ISBN4-336-04030-3
亡霊が出没し神秘的な出来事が日常的なキューバの寒村を舞台に、少年と分身セレスティーノが生きる想像の世界。「少年期を、そしてキューバの生活を描いた最も美しい小説の一つ」(C・フエンテス)。

レッド・ダート・マリファナ (文学の冒険シリーズ)

レッド・ダート・マリファナ (文学の冒険シリーズ)

松永良平
276頁 2520円 ISBN4-336-04521-6
ブラック・ユーモアの傑作『マジック・クリスチャン』や発禁になった『キャンディ』の奇才テリー・サザーン唯一の短編集。クールなジャズ・ノヴェルからサイケ短篇までヴァラエティに富んだ異色作品集。

→担当、かつとんたろう

ハードライフ (文学の冒険シリーズ)

ハードライフ (文学の冒険シリーズ)

大澤正佳訳
240頁 2100円 ISBN4-336-03587-3
綱渡り上達法やインチキ特効薬、孤児の兄弟が次々に考案する珍妙ないかさま商売の顛末は……。軽快な語り、大胆不敵な実験精神と類まれなユーモアが結びついた、天才作家フラン・オブライエン最後の傑作。 

フリアとシナリオライター (文学の冒険シリーズ)

フリアとシナリオライター (文学の冒険シリーズ)

野谷文昭
480頁 2520円 ISBN4-336-03598-9
シナリオライターが重度のノイローゼに陥った場合、ドラマの進行はどうなるか? 各ドラマ間のストーリーは入り乱れ、死んだ登場人物までが突然生き返ってきたりする、スラップスティック・コメディの傑作。

  • フランケチエンヌ他『月光浴』

月光浴―ハイチ短篇集 (文学の冒険シリーズ)

月光浴―ハイチ短篇集 (文学の冒険シリーズ)

立花英裕・星埜守之編
368頁 2730円 ISBN4-336-04557-7 
あてどなき放浪、波間に消えたいのち、日常に潜む光と影――カリブ海に浮かぶ小国ハイチに生をうけた、9人の現役作家による、透明なイメージでつむがれた、真珠のような物語13篇を収録。エミール・オリヴィエ、エドウィージ・ダンティカ、フランケチエンヌ他。

トランス=アトランティック (文学の冒険シリーズ)

トランス=アトランティック (文学の冒険シリーズ)

西 成彦訳
296頁 2730円 ISBN4-336-03594-6
ブエノスアイレスで大戦勃発の報をきいたポーランド人作家が味わう亡国の悲哀とグロテスクな体験を戯画的手法で描いた代表作「トランスアトランティック」と、奇怪な幻想と黒い笑いをたたえた短篇を収録。

外人部隊 (文学の冒険シリーズ)

外人部隊 (文学の冒険シリーズ)

種村季弘
488頁 3780円 ISBN4-336-04638-7 
フランス外人部隊での自らの破天荒な生を描き、セリーヌやサンドラールの精神的系譜に連なる連作長編『外人部隊』他に短編集『モルヒネ』、ダダイズム運動の証言『ダダ、アスコーナ、その他の思い出』

  • アルベール・コーエン『選ばれた女(上・下)』

選ばれた女〈1〉 (文学の冒険シリーズ)

選ばれた女〈1〉 (文学の冒険シリーズ)

選ばれた女〈2〉 (文学の冒険シリーズ)

選ばれた女〈2〉 (文学の冒険シリーズ)

紋田廣子訳
443頁/493頁 各3150円 ISBN4-336-04755-3/04769-3
大戦前夜、ユダヤ人国連高級官僚のソラルとその愛人ソリアーヌが繰り広げる物語。圧倒的に過剰な語りが織りなす20世紀を映しだす恋愛小説。1968年アカデミー・フランセーズ小説大賞受賞。

以上 国書刊行会 文学の冒険
http://www.kokusho.co.jp/series/bouken3.htm