明日の秋葉原とゼロアカ以外まとめ。

 ゼロアカ以外全部 VOL1 A1~A14
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081022/1224691466
 同 VOL2 A15~A25
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081023/1224782071
 同 VOL3 A26~A51
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081024/1224826354
 同 VOL4 A52~A73
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081025/1224898888
 同 VOL5 A74~A85
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081027
 同 VOL6 A86~89
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081029/1225297684
 同 VOL7 A90
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081101/1225552245
 同 VOL8 B1~B6
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081102/1225642240
 同 VOL9 B7~B15
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081103/1225719959
 同 VOL10 B16~B26
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081104/1225820543
 同 VOL11 B27
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081105
 同 VOL12 B28~B48
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081106
 同 VOL13 B49~B60
 http://d.hatena.ne.jp/leftside_3/20081107

て、ゼロアカ以外全部紹介というある種労力だけがかかる不毛な企画(笑)が終わったので、まとめ的な話をしようかなと。

 なんでこんな企画をやったのか。といえば、理由はたぶん単純で「文学フリマにはどーいうサークルがでてるのか」ということを僕自身が知りたくなったからです。
 もっとぶりっ子して言えば、ゼロアカ目的で来場する人たちに「ゼロアカ以外にもサークルはたくさんありますし、実際に見てみてください。」というメッセージを送りたかったからです*1

 文学フリマにはさまざまなサークルがあります。
 しかし、文学フリマだけにでているサークルはそんなに多くありませんし、相当数のサークルは「コミティア」や「サンシャインクリエイション」といった即売会にも参加しています。
 また「タコシェ」や「中野書店」あるいは「BASARA BOOKS」のようなミニコミ誌などを積極的に置いてくれるお店に委託販売を任せてもいるようです。
 また、ほとんどのサークルで「通販」を行っているようです。

 文学フリマはたしかに、アニオタ系の評論から普段はあまり見向きもされない短歌集まで幅広く売られている「場」かもしれませんが、そこだって、即売会からちっちゃい書店まで含む「ミニコミ・カルチャー」からすればごくごく隅っこの領域でしかありません。文学フリマの参加サークルは150をちょっと超えるぐらいですが、コミティアでは2000サークルを超え、夏コミ冬コミでは30000サークルをあっさり越えるそうです。同人音楽専門のM3でさえ、400を超えるサークルが今年は参加しました。*2

 文学フリマが隆盛したからといって、ミニコミ全体が活性化したわけでもありませんし、別に文学が復権するわけでもないでしょう。*3
 
 それでも「文フリ」が面白いのは、そんな場所においてあるものが「意外と意表をつく」からじゃないでしょうか。商業私的な規制もなにもないから、みんなやりたい放題だったわけです。
 でも、出展物があまり意表をつかなくなってきたし、メディアも一般的には文学なんて興味がないから、参加者の知り合いとかしかこない。という状態が続いていたのもたしかなのでしょう。
 かつて僕もそのような印象を持ったことをブログに記しています。また、単純な来場者や収益構造の問題としては、文フリ事務局の方がブログに書いていた通りなのでしょう。

 こういう状況に講談社が割って入ってきたのが良くでるのか悪くでるのかまだわかりませんが、でも「お客さんがたくさんきた」からといって、それらがひとえに、道場破りも含むゼロアカのおかげと短絡するようだったら、結局文学フリマはカンフル剤を撃っただけで一時的に盛り上がったように見えるだけになってしまうかもしれません。

 もし、フリマのようなイベントが「成長していく」のならば、それは150とかそれ以上ある無数のサークルたちのレベルの向上とか、そういう空気を面白がってくれる読み手を増やすとか、あるいはブースの中で本を売りたい、自分の作ったものをみんなに見てほしい、フリマに参加したいと思える作り手を増やすとか、そういうことによって行われるべきだと僕は考えています。売り上げ、なんて別にいいじゃない。

 文学フリマで、ゼロアカ道場の門下生たちは宇野常寛力を試されるそうですが、そんな物差しではかり知れるようなものばかりではないのが文フリだと思っていますし、ミニコミだと思っています。もっとわけのわからない物差しをもってくる人たちがたくさんいるのがこういうものの世界じゃないでしょうか。
 『PLANET』だって、最初のほうのバカっぽいことやってたころのほうが宇野常寛力らしかったのかもしれないじゃないか(笑)

 ゼロアカについて言えば、彼らの批評家としての技量や何かは相当高いレベルのものだと思うし、インタビューを引っ張ってくるスキルや段取りの付け方は素直に尊敬します。それに、ああいうノリはキライじゃないです。*4ただ、

  1. 優先的にブースが割り当てられ
  2. 講談社から金もらって「同人誌」をつくってる。

 という二点に関しては非難されてもしかたがないんじゃないでしょうか。お金もいくらもらったか不明ですが、その限りでは「早稲田文学*5とか「法政文芸*6と同じ「企業枠」扱いなのですし、プラスαの出費が認められているのかどうかわかりませんが、だいたいの一般参加サークルより資金的には有利なわけです。そして『パンドラ』なんかは、ゼロアカについては死ぬほど言及しますが、望月さんがかろうじて文学フリマの来場者たちに向けて小説や詩のサークルも見て回って。というだけで、これはちょっとが公平じゃないかしら。というのもあるわけですが、講談社じゃあしょうがない。
 あとの内容などは、読んでないのでわかりません。でも『最終批評神話』のわかむらPインタビューは、すげえ。それに、彼らをみて批評家になりたいという人もでてくるかもしれないし、それはとてもうれしい。

 でも僕が結局ここで言いたいのは、なんでもいいから文学フリマを楽しみましょう。ということでした。*7そして、文学フリマ以外にもたくさんの創作オンリーのイベントは開かれているので、そういうのに遊びにいくのも楽しいですよ、ということでした。というより、むしろそうしたイベントはミニコミ書店やトークイベントやら、そういう草の根的な無数の活動に連なっているものだと思います。もちろんそこは一枚岩ではないのですが、くりかえしになりますが「文学フリマ」もまたそういうミニコミなものの隅にあるだけなのでしょう。

O2Eやコミティア、地方にもたくさんのイベントが開かれています。そして、

次号

 「ひだらす」も文学フリマに対するウェイトは大きくさげて、次からは「コミティア」などの大きいイベントとか、あるいは普通の書店などが主戦場になっていくような気がします。いろいろと戦い方は考える必要はありそうですが。僕が思うような成果――外へ繋がる回路を探すこと――をあげられる場所を探していきます。


コミティア86に、参加します。

*1:通じたかどうかは命がけの飛躍というか。A−列はもっとちゃんと書いておけばよかった。

*2:昨今のDTP熱やら初音さまとかの影響、それにニコ動で雲霞のごとくあげられるIOSYSの影響とかもあるんでしょうかね。

*3:っていうか何をどうしたら文学が「復権」とやらするのかしらね。っていうことに関しては僕もクリティカルな戦略が思いつかないのですが

*4:10・19はどうかと思うけれど。

*5:広告のないフリーペーパー

*6:2000部で57万

*7:ぜんぜん言ってないねww