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  • フルカラーのA5サイズ、10pの薄い本。現代詩とレビューと写真とエッセイというストレートな作りの一冊。

航時舎の刊行によるもの。発刊の辞がすばらし。

ひとは誰しもタイムマシンを持っている。過去へむかう装置を記憶といい、未来にむかうものを夢という。
ただし、未来にいくにしても、過去に飛ぶにしても、よりよき航海士は必要だ。時間を旅する航時機の設計にしろ、乗り心地だって問題だ。航時舎は、タイムマシンの製造と運行に、天賦の才を持つ者のみをスタッフとした。時を超える、時を忘れる、時を遡る、時を止める。わが社のタイムマシンには、精度のよいスイッチも完備している。temporizzatore(伊、ストップウォッチ)は、それぞれの時を一瞬停止させ、これからの私たちのワープ航法の指標をさだめてくれるはず。さあ、みんなでわがタイムマシンを始動させよう。
エネルギーはタキオン粒子と、少量の希望。未来にいくにしろ、過去に飛ぶにしろ、それはまちがいなく私たちの前方に現れる。パラドックスも、多元世界もあるがまま。タイムマシンに乗り込んだ以上は、それもまた運命だろう。
さあ、船でだ。時はよし。うまき酒の積み込みも終わったようだ。諸君、はじめての航海だ。時間酔いには気をつけたまえ!

  • とのこと。誌面は全体的に高いなーと思った記憶がありますが、無駄をそぎ落としたシャープな作りにはなかなか感心させられます。レビューの対象は「Audi-cation SUpplier」というユニットのCD「Hello World EP」。文芸誌やサブカル誌の泥臭さはまったくなくて、スタイリッシュなインテリア雑誌やデザイン誌の洗練された雰囲気を味わいたい人には薦められそうです。なにやらあれこれとイベントも行っているそうな。