@清澄白河SNACにて。
なんだか知りませんが、梅田さんが司会をやるようです。11月2日。

太田信吾監督 自主制作映画「それは愛じゃない」試写会 & トークセッション

監督作品「卒業」でイメージフォーラムフェスティバル2010優秀賞・観客賞を受賞。舞台ではチェルフィッチュ劇団、本谷有希子などに俳優として参加したりと、枠におさまらない活動で注目される太田信吾監督による、待望のストーリー作品。
これまで、ドキュメンタリーという分野で培ってきた太田氏の表現性や思考性が、劇映画においてどう反映され、過剰し、削除されていくのか。
各分野から、今後の活動に多くの注目が集まっている監督の、最新自主制作映画。初上映。

●11/2(水) 19:00 open / 19:30 start
「それは愛じゃない」 (上映時間:約50分)
トークセッションゲスト:本谷有希子(劇作家、小説家)× NIWA(ワニモール主宰、俳優)×友松栄(俳優)×森翔太(悪魔のしるし、俳優)×太田信吾監督 
司会進行:梅田径(演劇評論家

●11/3(木・祝) 14:30 open / 15:00 start
「それは愛じゃない」 (上映時間:約50分)
トークセッションゲスト:岩井秀人(劇作家・演出家・俳優 ハイバイ主宰)×太田信吾監督 

●11/3(木・祝) 19:00 open / 19:30 start
「それは愛じゃない」 (上映時間:約50分)
トークセッションゲスト:木引優子(青年団、女優)×木村知貴(俳優)×太田信吾監督 

会場:SNAC acceess
料金:1000円(予約・当日)(全席自由)

※イベントの内容に一部変更がございます。太田信吾監督の過去作品の上映は行いません。何卒ご了承下さいませ。
※11/3(木・祝)19:00 open / 19:30 start の回において、トークセッションゲストを予定していた深田晃司(映画監督)さんの出演が都合により無くなりました。恐れ入りますが、何卒ご了承下さいませ。
トークセッションゲストの追加出演がある場合は随時このページ内で発表いたします。



「それは愛じゃない」

<はじめに>

「映画を完成させてね」そう遺書を残して、友人が死んだ。
あれはもう1年前のことだ。
僕は彼のドキュメンタリーを撮っていた。
彼が僕に(僕のカメラに)しか語らなかったこともあっただろうし、
僕がまだ知らない彼との記憶を、僕の知らない誰かがたぶん今も持っている。

けれどそんなことは僕たちの日常にはあまり関係ないらしくて、
季節はあっという間に過ぎてゆく。

残された100数十本のテープは、クローゼットの中で眠っている。

僕はまだ、彼との映画を完成することはできない。
もしかしたら、一生完成なんてしないかもしれない。
彼の映像を、見つめ直すことが、どうしても、できない。

映画だの音楽だの小説だの、
人の死を安易な場所で消費してる人に、社会に、自分に、嫌悪すら覚える。
だのに、どうしてそんなことを、どうして、これ以上、自分が?
気持ち的な余裕も、そのテープを見返す時間的な余裕も、ない。

暮らしていくことや、日常にとらわれて、それでも時々、彼との「約束」を果たせない罪悪感に苛まれながら、埼玉の片隅で、今もこうして生きている。

いや、なんか内省的なことばかり書いてしまいました。
すみません。
けれど、安心して下さい。
これは死に取り残された人間たちの、愚かで、愛おしい姿を映した映画です。
どうにかして、生を、私たちの日常を、肯定したくて作りました。
笑うことを忘れず、生きていたいと思います。

どこかの街で暮らしているあなたが、
この映画のどこかの場面で、
笑ってくれたらいいなって。ほんとうに。
そう、願っています。

<あらすじ>

長年務めてきたビル管理会社から退職を迫られた初老の男、近藤。

バイク事故で兄を失ったフリーターの葉子。

合コンに行き手に入れた女性の連絡先に片っ端からメールを送信しても一通も返事が来ないサラリーマンの森山。

交わることがないと思われる彼らの日常が、繋がり、縺れ、彼らの日常に小さなさざなみがたってゆく過程を定点観測的に観察する。

繋がっていると信じていた人と、その実、私たちはもしかしたら心の底では繋がれていないのかもしれないし、逆に繋がりのないと思っていた人間と、目に見えないところで実は繋がっているのかも知れない。


監督・脚本:太田信吾
出演:木引優子、篠塚祥司、橋本晶子、伊東沙保、森翔太、亀島聡介、
   友松栄、丹下友希、玉井英棋、木村知貴、NIWA、氏原大輔、岸建太朗、
   安藤玉恵、リーマン・F・近藤、鈴木コウヤ、祐理、林田拓真


「それは愛じゃない」サイト
http://www.ripple-film.com/top/The_hunger_for_love.html



予約方法:
CONTACTのページより、題名を「それは愛じゃない」とし、本文に「お名前・ご観覧日時・枚数・電話番号」を記入の上、送信ボタンを押して下さい。こちらからの返信を持って、ご予約完了となります。
なお、定員になり次第、受付を締め切らせて頂きます。ご了承ください。



《太田信吾プロフィール》

1985年長野県生まれ、埼玉県育ち。早稲田大学在学中より自主映画の制作を開始。
課題制作として脚本を書かないスタイルで制作した映画「卒業」 がヨコハマ国際映像祭2009 に入選、イメージフォーラムフェスティバル2010では優秀賞・観客賞を受賞。
同年、東京国際映画祭日本映画・ある視点部門で作品賞を受賞した商業用映画「歓待」(監督: 深田晃司) のメイキング監督を担当。メイキング映画は「少年少女」というタイトルで国内外の映画祭に出品されている。
これまでの映画作品では日常の中に虚構の設定を持ち込むことで浮き立つ変化を紡いでゆくのが作品の特徴である。
チェルフィッチュ俳優、映像ワークショップ講師としても活動中。
太田信吾公式HP → http://www.ripple-film.com/