child-of-eden.

http://child-of-eden.jp.ubi.com/

 ドリームキャストで発表された快作「Rez」を創りだしたスタッフ。そして、HD機のハイスペック。

 それらを併せ持って生まれたのが、このchild-of-eden.だ。

 くさくさして、ひどく憂鬱で沈鬱な気分の時に、さらに沈鬱になるようなZ指定のゲームがやりたくなる。けれども、それもやりたくなくなったときには、気持の良いゲームがやりたくなるものじゃなかろうか。

 そういう気分で購入してみたら、なるほど、これは気持ちがいい。

 音楽/インタラクティブ/世界観で構築されるゲームは決して少ないわけではない。音楽は世界観なしに成立しないし、音楽とは本来的にインタラクティブな関係を創りだすものだと思っている。いわゆる音ゲーはまさに世界観抜きに成立しなかっただろうし(パラッパラッパーとか)、音だけならばCDで聞けばいい。

 半分、というよりもほとんどシューティングゲームであるchild-of-edenは、いわばその時に「おと」がどんな世界を欲するのか、あるいは「おと」とどんな世界が一緒にあってほしいのかをよく理解している。というよりも、僕らは音楽に対して現実以上のリアリティを求めているということを、本当によく知っている。

 決して自由度の高いゲームでもなく、ほとんど、というよりも9割は覚えゲーではあるからこそ、自分たちがどこにいてどこにいきたいのかをよく教えてくれるような気がするのだった。

 child-of-edenのよさを一言でいうならば、移動の気持ちよさだ。とある電脳空間の中で起こる、様々な場所への移動。飛んでいる、ということの楽しさ、飛ぶ、ということができたときの自由さ、飛ぶ、ということができたらこんなところにいけるはずだ、という素晴らしさを、おそらくこれ以上ないぐらい美麗さで表現している。単純な形であれば、マトリクスで構成された四角四面の空間に浮かぶ巨大さや飛躍感、具体的な事物であれば花やマンタの透明感。これらと触りあうのが撃つ、という動作なのだけれど、この撃つ/触れることで、世界が変わる、という手応えを得られるのは、やはりそのグラフィックの精度にあるだろう。
 
 まさしく「夢をみているかのような」ゲームであり、同時にこの夢はゲームでなければならない。ああ、そういう夢があるから、かろうじて現実に絶望して死ななくて済むんだろう。

チャイルド オブ エデン - Xbox360

チャイルド オブ エデン - Xbox360

キネクトでやりたかったけれど、もってないんだよね。