人をよぶこと。

 
 こんばんは。『この文章系同人がすごい!』のゲラを読んだら、なんか一人だけすごい精神病みたいな文章を書いているやつがいて、誰だと思ったら僕でした。かなりキテますが、笑ってやさしく流してくださいね(笑) どうもたたたです。
 今日はその話をしようかとも思ったのですが、小劇場話最後のひとつをみておこうと思ってます。さてさて、実はこのような演劇インスタレーション? があるので、まずはその告知から。

 個室都市 東京
http://festival-tokyo.jp/program/portb/

「port B」という団体が仕掛けるのは、どうやら24時間、空間を使ったツアーのようです。この単純明快だけれど、イメージのわきにくい仕掛けについて、こんな風に演出ノートには書かれています。

Port Bではここ数年、都市をインスタレーション化する観客参加型演劇を「ツアー・パフォーマンス」と呼んで発展させてきた。『個室都市 東京』はその延長線上にあるプロジェクトである。ただし今回は池袋西口公園という広場にこだわり、すでに存在するコミュニティ群と僕らが仮設するコミュニティがどのように干渉しあい、そこにどのような“場”が作られるのかを探ってみたい。
具体的には、池袋西口公園に「個室ビデオ店」を仮設する。ベンチや木の周りにたむろする人、宴会を楽しむ人、ナンパする人にされる人、ダンスの練習をする人、タバコを吸う人、寝泊まりする人、劇場に芝居を見に来る人、通勤や通学の路として使う人、たまたま通りがかった人など、この公園は朝から深夜まで24時間人の流れが絶えないのだが、老若男女、国籍も様々なそれらの人達に何十もの同じ質問をぶつけてみる。「東京は住みやすいですか ・・ 誰かに愛されていると思いますか ・・ あなたの夢はなんですか ・・ この公園は好きですか ・・ お友達の名前を教えてください ・・ あなたは誰ですか ・・ 等々」。それらの質問に答える人を映した何百本というビデオが、一人につき一本という形で受付に陳列されており、来場者はそこから選んだビデオを個室で見ることになる。モニターに映っている人達は個室の薄壁一枚隔てた向こう側、つまり池袋西口公園にいた人達であり、その大半は今もそこにいるはずの人達である。そしてまたそれを見ている自分も同じ公園にいる。そんな風に、この「ビデオ・インスタレーション」は内側が外側になり外側が内側になるような反転構造を持っており、来場者には単なるビデオ鑑賞にとどまらない経験をしてもらえるのではないかと考えている。

 後略。portBは池袋西口公園にビデオ鑑賞の個室を設けます。、そこでみるビデオには、その個室の外側で生きている人たちの声が書き込まれています。

 この試みは10月24日に終わっています。残念、いけなかった。個室のビデオ=? →外の人々との回路が複線化することによって、現実の現実性(演劇の演劇性)を二重化するという試みなのでしょう。この場合の観客は、ビデオを見ている個室の中の私、でもあるでしょうし、外にいて個室の中でビデオをみる彼ら、かもしれません。こうした試みはぼくはきらいじゃないですよ。
 この情報を下さったid:kugyoか、id:pubkugyoに感謝。

 さてさて、と。しかしですね。このイベントはF/T09秋というフェスティバルの一環として初めて成立するものだということはいえるでしょう。普通の環境では池袋のど真ん中に個室のビデオ鑑賞は作れません。そして、この目論見が別種のアートデザインとの出会いを誘発するかといえば、それもまた微妙だなぁと思わなくはないです。なぜならば、このビデオ鑑賞個室は「ビデオを鑑賞する」私と「ビデオと鑑賞する私を鑑賞する彼ら」の、基本的には二項だけによって成り立っているように思うからです*1。そして、この目論見は必ずしも、ほかの演劇的体系と関連しているわけではない。だからこそ「演劇という枠をはみ出す」プロジェクトなのだと僕は思っています。

 ということで「小劇場に人を呼ぼう!」プロジェクトとしては、やはり基本に忠実に劇場で見る類の演劇か、もうちょっと敷居の低い演劇適的空間を用意できたほうがいいんだろうなと思います。。あるいは、そこに言説的な批評を打ち立てられないだろうか。なんてことを最近考えています。具体的にはまだ未定ですが、同じことを思ってる人たちが集まれば、なんとかできることもあるんじゃないかな。とあいまいなことをいってみる。

 たとえばMUの演出家さんが僕らのサイトについて言及してくれていたりしていました。涙がでるほどに小劇場に人をよびたい! という思いを抱えている劇団(だけじゃないですが)の人たちがいることも知ってます。あとはなんとか!

 

 ・・・…と。もうこんな時間か。じゃあ今日はここまで。
 コリッチについてもうちょっとしっかり書かなきゃと思ってたんですが、今日はここまで。とりあえず、ここまで。

*1:違ったらごめんなさい。