ログ11


 おはようございます。改めて、コミックマーケト76お疲れ様でした。サークル参加とはいえ、……疲れました(笑)。(笑)とか書いたけれど、けっこう深刻なことかもしれません。炎天下の中二時間近くの待機、日傘もさせない状態での待機はたしかに苦痛です。入場規制の解除は十一時の終りごろだったように記憶しておりますが、なかなか準備をしなければこれないイベントのようです。


 左隣のラスプーチンブースに足を運んでくださったかたがた、本当にありがとうございました。
 前日からの打ち上げそのほかも含めて、本当に楽しく、また新たなる出会いや何から何まで、うれしかったです。「同人音楽愛好会」のみやわさん、kizkizさん、「X-TLiM」の方々(まさか劇団劇作家の方だったとは。)、それから、 5Lineのみんな、巧くん、応援のメール*1を下さった方も。

 てなわけで、戦利品のレポを。 

戦利品

 僕は二日目は普通に遊びに。三日目はサークル参加でした。今回「同人音楽同好会」の『同人音楽.book-2009summer-』に参加させていただいた関係で、東方関係のドラマCDを買いあさっていた*2ので、東方ブースと音楽ブースばっかし見ていました。

 ということで、あんまり夏コミ全体の総合的なログはかけそうにないのですが、戦利品の紹介と絡めて少し思うところを書いておこうと思います。
 ちなみに、東方の専門用語が無数に出てきますが、きっとはてなキーワードがリンクしてくれることを期待して(笑)説明はなしで通します。



  • EarlGray『天の海〜Could there nearby be you by you?〜』

 別のところでも紹介した、例大祭において前作『想い風』を発表。衝撃的なデビューを飾った東方ドラマCDを制作するサークル。デジパック仕様のケースジャケットは茨乃のイラストレーションによるもので、内容及びジャケット、ブックレットにいたるまでドラマメインのサークルとしてはほぼ最強の完成度を誇っている。ブックレットも豪華です。 今回は『東方地霊殿』と前作に引き続き『東方風神録』のキャラクターによる会話劇となっています。つまり、前回のキャストもほぼ引き継がれておりますわ。*3

 サークルの総合的な戦闘力はいうまでもなく、なんといっても声優のレベルが高く、ボーカル曲も抜群に上手です。

 ただ、二点ほど気にかかるところがありました。
 
 一つ目は脚本が回想劇から幻想郷での一こまをつづる、という構造が前作と同じなことです。キャラクターの「過去」を使う東方芝居は、ニコニコでしばしばUPされる紙芝居や漫画同人誌などにも多くよく目にする物語構造ですが、これは物語のリソースを食いつぶしていることになります。一作目、二作目ならばともかく、この形をずっと続けていくことは厳しいでしょう。

 また、ドラマとしては物語の展開に乏しく、キャラ同士の「動き」を観察しているだけのような感じ、そしてその肝心なキャラクターが「似通って」見えてしまうことも脚本家の力量が問われるところでしょう。漫画や動画と違い、声だけでの芝居では、トーンや語尾が同じなだけで、物語上の立ち位置が異なるキャラクターでもけっこう同じような性格に見えてしまうことがあります。これは他のサークルにもいえることです。しかしEarlGrayの作品については「過去はこうでした。今はこうです」という「幻想郷の一こま」を描く作品が多く――つまり物語の起伏が少ないために、なおさらそのきらいが強くなります。


 その意味では、おまけ……なのかな。『夏草の宴』というこれは白玉楼メンバーのお芝居はがんばっています((あまりちゃんと話を回収しきれていないような感じもするのですが)ので、次回作も期待。会話のかけあいや、演出は申し分なしです。いや、あ、ちょっとはまぁがんばってほしいところもありますが、申し分なしとします。はい。
 とはいえ、キャラクターたちが「おとなしい」。ハッチャけた東方観をもっている人には強い違和感を感じさせるかもしれません。でも僕は好きです。
 トラック6に「キィイイン」というノイズが入っている気がする。

 もう一つは、値段です。豪華なことは変わりありませんが、これで3000円が安いと感じるか高いと感じるか、という問題はあるでしょう。

  • 劇団だんだん団「東方落語 魔理沙出世だぜ!」

 こちらも東方ドラマCD。イラストレーションはからあげ太郎氏。ブックレットも所収。普通のジュエルケースだけれど、プレスCDで気合は十分。魔理沙パチュリーに魔法を封じられ、それを解決するためにみなを笑わせるべく八五郎出世のパロディを繰り広げる。という趣向。お話としては比較的よくできているほうだけれど、森近霖之助役の人が、本気で腹立てているような芝居をしていたところ、それでいいのか。と思わなくはなかった。配役に関してはよくでてきていることもあるけれど、俳優、音楽、演出ともにブレがあって、EarlGrayに一歩劣る印象がどうしてもぬぐえない。しかし、ドラマとしては印象深いシーン*4もあって、こちらのほうが好きという人も多いかもしれません。
 無料配布していたドラマCDも面白かったです。

  • りりぃはぁと♪『夏色ノスタルジー

 サイトが工事中なためよくわかりませんが、現実世界を舞台とするボイスドラマ4編所収。物語にすごく起伏があるというわけではないのですが、女の子同士のほの薄い恋愛感情を描く作品。とはいえ、それだけの話といえば、それだけの話ではあります。

 いささか「間」が悪いせいで妙な無音が気にかかるのですが、聞けないほどではありません。声がいいですね。声優のレベルは普通より高め。独白が大目で、人物の外見に関する描写が多いかもしれません。SEの挿入タイミングなどを調整するだけでももっとよくなるんじゃないでしょうか。(けっこう普通にゆりゆりしているので、っていうか、すごくゆりゆりしているので、それがいいなぁ、と思ってしまう方にはとてもいいですね。えぇ。))ブックレットはありませんが、フリーペーパーが附属。
  

  • Mare Lucente『DIRGE FOR THE GODS』2と3

 ミステリじたての作品。ひとことで言ってしまえば、オカルト研究会が活躍する話。店のオヤジのあまりの大根役者っぷりにちょっと吹いたり、音楽のセンスに関して頭痛がしたりしましたが、2、3と連作で出しています。なかなか妖怪がでてきたり、怪異がでてきたりします。きどった演技には賛否が分かれるかもしれませんが、女の子向けと見れば十分許容の範囲でありましょう。

 ほかにも聞くべきサークルはたくさんあるのですが、金欠なためこんな感じです(笑)。実は僕が『同人音楽.book』で紹介したサークルも数多く出ていたのですが、挨拶周りにはいけませんでした。さーせん!

*1:「暑いから斃れないように。斃れる前に遺書を書いておまえのもってる本をくれ」と書いてくれた某人のメールには本当に涙がでました。いろんな意味で。

*2:とはいえ、大手サーのはとてもじゃないですが、手にいれることができませんでした。

*3:なお『想い風』のイラストは、pixivの東方本にも掲載されていました。

*4:魔理沙パチュリーに己のいきざまを語るところとかが、ありがちな感もしつつ、よかったですよ。