峰尾インタビュー
先日あった早稲田文学の十時間シンポで、ゼロアカ門下生の峰尾さんと知り合いました。同人の小峰君や、フランス乞食の坂上なんかと一緒にちょろっとお話をさせていただいたのですが、若干挙動に怪しさがあるもののすごく知性的な方でした。非モテーズがなぜモテないのかについてはそのうちシンポジウムを開く必要がありそうですね。
で、その峰尾さんにゼロアカに関して質問したりしてみたところ、答えてくださったんですね。写真もろとも公開してよい、ということで、ちょっと紹介させていただこうと思います。
500部というととんでもない部数ですが、とりあえず、全8チームの中では一番多く売りたいと考えております。正直言ってどれがどのくらい売れるかと言うのは全く予想が立ちません。とりあえず僕なりには売る気まんまんです。
- Q.ぶっちゃけゼロアカは盛り上がってるんでしょうか。
盛り上がっていると思います。ある意味では。例えばゼロアカ道場が語られる言説の場というのは言うまでもなく2ちゃんねるの東浩紀スレッドなわけですが、面白いことに東スレでは東浩紀がどうこうというよりも藤田直哉さんがどんな映像をとったとか、あるいは仲山とかラルクとかのコテハンの動向の方がどうなったか の方が盛り上がってしまうという謎の逆転現象が起きています。これは間違いなくゼロアカ現象の効果なわけです。普通に考えて、ゼロアカ門下生というのは、まだデビュー前の評論家の卵であって、基本的にいまのところなにものでもありません。にもかかわらず東スレという場ではもうほとんどセレブ(笑)みたいな存在と化し ている。何ものでもない人間が普通にカラオケで歌ってる動画とかがアップされているわけですよ。これは僕はすごいと思う。おそらく、これはゼロアカがあまりにもあけすけ(そもそもゼロアカの理念というのは選考過程がオープンであったことでした。しかし、最近明らかなのは、選考過程のみならず門下生のプライバシー までオープンにしてしまうことこそが、ゼロアカをゼロアカたらしめたということではないでしょうか。僕は勘弁してほしいですが)であるために、スレの住人と門下生の距離が縮まり、こうなったのではないか、とおもうのですが、こういうことが起きてしまうということは、やはりゼロアカは盛り上 がってるといわざるを得ないと思います。
- Q.シード枠でゼロアカ組が入ってきたこと(ここで道場破り組が全組当選していることは不問に付すとして)を不快に思う参加者もいるかもしれませんが、文学フリマの一般参加者についてはどういう感じをお持ちでしょうか?
一般参加者というのは出店者のことでしょうか? 僕もかつては普通の客や、同人誌に寄稿する一人だったわけですが、気分的には僕も一般参加者みたいな物です。もともと文学フリマは、けっこうプロの書き手が出店しているので別に普通だなとしか思えないのですが、今回のゼロアカというのは、プロの書き手どころか、講談社という企業がからんでるわけです。言うまでもなく文学フリマは大塚英志氏が、講談社の文芸誌『群像』上での論争がきっかけで出来た物です。だから、むし ろ文フリに講談社がからむのってどうなの?と逆に聞きたいです(笑)
- Q.ゼロアカの次にめざすものとか、ありますか? あったら教えてください。
僕に関してでしょうか?うーん、まだ考えてませんが太く短くよりも細く長くは生きたいなとは思っています。
いや実は表紙のイラストの発注は僕がやったのですが、あのデザイン自体はデザイナーさんがやって僕は完全ノータッチなので、僕も最初あれをみてすごく驚きました。しかし表紙は戦略以前に素晴らしい以外の言葉がありません。あんなアナーキーな表紙はなかなかないです!
- Q.さいきん、どうすか?
つかれた。どうやって生きていけばいいんだろう。みんな元気?
- Q.相方にラブコールなどを。
今回の同人誌は村上裕一君とその友人のスタッフ達のおかげでできたといっても過言ではありません。なので、村上君には頭が上がりません。キミがナンバーワンだ!
- Q.いまさら批評を愛する奴らになんか一言。
僕の周辺でも、優秀な人でも批評に対するモチベーションが下がっている人がぞろぞろ出てきている。その気持ちはわかるが、僕は世界が腐っていようが批評というのは愛する価値があるものだと思う。
- Q.これから批評を愛せそうな人たちにも何か一言。
下の世代は僕が想像するのとは全く違った教養体系をもっているにちがいないでしょう。とくにネットが発達し、ようつべやニコ動みたいに情報に簡単にアクセスできる時代は特にそうでしょう。だから僕はそういう連中の批評を見てみたいし、そういう連中を無条件で尊敬します。
とのことです。寸評を加えることはしなくてもよいと思いますが、文学フリマという場所に関する認識の正確さや、批評に対する熱意が、かっこいいっすね! さて、ブログの更新合戦ではいささか劣勢な感もある『最終批評神話』ですが、こっそり本命という人もちらほらききます。さてさて、どうなることでしょうか.