濱野智史×港千尋×pingpong特別講義『行為から考えるデザイン―生成力を持つ環境をつくる』

 最近行ったイベントその一。終了間際に駆け込んでの参加だったので、前半何が起こっていたのかさっぱりという最悪の事態に。濱野氏がニコニコ動画のタグについて全力トークしており、主催者のpingpongのメンバーがそれに応答、あるいは港氏からpingpongのプロジェクト全体についての質問が出ていたところでした。

 アンケート用紙を配られるも、まさかの筆記用具不在に内心で「嘘だ!」と叫ぶ俺。質疑応答時間では、会場*1から言語から行為は抽出できないんじゃないか問題が質問され、主催者は「自分たちのアプローチが全部正しいとは思わないけれど」と前置きしながらもハイレベルなやり取りを繰り返していました。……が、前半から参加してない僕には何がなにやら。どうやらわかってきたのは、この団体は動詞中心の検索エンジンを作っていて、言語の分析から行為を抽出/創設するというプロジェクトを立ち上げているっぽいってことでした。

イベントHP
http://library.tamabi.ac.jp/event/2009/pingpong-hamano/

その一端として、多摩美大における図書館を使ったワークショップを開催しているらしいです。全四回ほど開催するらしいので、興味のある人はぜひ見学にいってみてください。かくいう僕も興味があっていってみたい(多摩美大八王子キャンパスの図書館は傾斜がついていてなんだか面白いんですよね)。んですが、部外者は見学のみとのことなので、なかなかしんどうございますかもしれません。

pingpongぶろぐ
http://www.pingpong.ne.jp/

pingpong 検索システム
http://www.pingpong.ne.jp/pingpong/

この団体は以下のようなプロジェクトらしいです。

「pingpong」は,固有名やカテゴリーなどの記号論的名指しからではなく,「行為」という観点から 私たちの回りにあるさまざまなモノ・コト,さらにデザインのあり方を捉え直すことを可能にすることを目的とする 検索エンジンです.

世界中のWeb情報と現実世界からの行為のロギングを通じて得られる情報を抽出し,行為の複数性から 現れる関係を明らかにすることで,ユーザの新しい気づきや価値の発見を支援します.

図は,pingpongシステムの全体アーキテクチャを示しています.自然言語処理やセマンティック技術を用いた Webからのモノ・コトに関する行為の抽出を自動抽出します.また,ワークショップやモバイルデバイスを通じて 現実世界からも,相互にモノ・コトと行為の関係を抽出しながら,行為データベースが成長していく仕組みとなっています.

プロジェクト開発・創造のプラットフォーム,意思決定サポートツール,新しい気づきや価値の 発見の場として,多くのユーザに使われるようなサービスを目指しています.

句読点も使えてないのに、行為だの名指しだのいっていいのか問題はさておくとして*2、個人的にはこのアプローチはあまり成功するとは思えません。理由は一言でいえば「言語をどこまで追いかけていっても行為そのものには絶対にたどり着かないから」ですが、有る程度近似値によることはできるかもしれません。
 「『行為』という観点から」という詞を敷衍すると、「動詞を中心とした検索エンジンを構築することで」ということになると思いますが、モダリティ

*1:の某著名人。

*2:横書きだからいいのか。あんまり個人的には好きではないんだけれども。