総合的概観2

  • なんだかばたばたしているのでざっくり。
  • まず、文学フリマ自体は相当認知されてきており、応募サークル数も初回のほぼ二倍に膨れ上がっているらしい。コミティアコミケなどではマイナーな文芸系のサークルたちいわばメインストリームな活躍ができる場所として、ライトノベル関係や商業的なニッチに載らない独自の紙面づくりを楽しむサークルたちが参加してはじめているということだろう。
  • その一方で、参加者としては、二つの問題が出始めているように思えた。ひとつめは、当初運営が述べていたような「リトルメジャー」なイベントでは少しずつなくなりつつあるのではないかということ。『早稲田文学』や『HEADS』などのメジャーが登場する一方で、多くの若手作家が参加していたお祭り的な空気は薄れ始めていることを感じる。
  • もう一つは、それにともなって参加するサークルたちの内輪的空気が強まっている気がする。ブログなどで見る限り「お友達のサークルだけみて帰ってきた」とか「意外となんでがっかりした」という記事が散見されることは多少の興味がある、というより気になってしまうわけだ。これはある意味しょうがないことで、むしろオフラインなイベントとしては歓迎するべきことではあるだろうが、ラノベ・純文・きわめて特殊な雑誌などの目にはみえないながら比較分類が、文学フリマにはあるだろう。
  • この比較分類は書店では露骨な「販売ターゲット」の差として顕れるが、文フリではそれぞれがそれぞれの望むものしかみないという状況が発生している気がする。これではそれこそ、「己が文学だと信じる」ものを各自の興味範囲内で共有しあうだけのイベントになってしまうのではないだろうかという危惧もあり、またそこに切り込むサークルもありで、どう評価していいか正直わからないながら回数を重ねていくことの功罪も見えてきたというところだろう。
  • また個別のレビューは別日に。